酒とポテチと僕

アニメ、ゲーム、小説、音楽などの感想を綴るブログ

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。 感想

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最近読んだ本について感想を書きたいと思います。こういう本のジャンルはエッセイって言うんですかね。読みやすくて一瞬で読めたんですけど、ものすごい含蓄があるというか、自分の人生観が変わるかもしれないくらいの影響力がありました。

血液のガンに侵され余命3年と言われている幡野さんが、息子に自分はどういう人間だったかを残すために書いた本となっています。ガン患者だった人やガンで親を亡くした人などに対する取材を通して、幡野さんの考え方が書かれているのですが、幡野さんのスタンスが明確で説得力あると感じました。決して余命3年という立場だから説得力があるという訳でなく、逆に非常に力強い言葉で自分の子供に残したい事を書いてるなと感じました。

 

 

生きるとは

この本を読んで、いろいろな言葉が胸に刺さったんですが、その中で一つ挙げるとすると、「生きるとは、ありたい自分を選ぶこと」という言葉ですね。

幡野さんはガンになっても後悔することはないと言います。自分のしたいように選択してきたからだそうです。自分も基本的にこれまでの人生、自分で判断してきたし、その時の判断で状況が悪くなったことは沢山あったけど、それでも後悔はしてません。この本で、自分の筆頭株主は自分、他の人に株の過半数を受け渡してはならないと言ってますが、その通りだと共感しました。

例として、この本では親との関係について、よく出てきます。親の言うことは絶対で逆らっちゃいけない存在だという考えが一般的かもしれないですが、幡野さんは例え親であっても、言いなりになることはないし、自分の好きなようにしていいのだと言ってます。

この本でも書かれてましたが、大抵の親は20代から30代で親になる訳ですが、その年代って大して大人じゃないんですよね。会社では若手な訳で、大人の中ではひよっこな訳です。自分は今20代後半ですが、全然大人になった気もしないですし、しっかりとした子育てができる自信もないです。そんなちゃんとした大人って訳じゃない人の言うことが絶対な訳ないですし、神みたいになるのはおかしな話です。

自分の親は、昔からうるさい人で、ゲームとか漫画とか読めないような家でした。小学生の頃には逆らう事を放棄してたので反抗期もなかったですし、今でも親に言われたことは無条件で信じてしまいそうになります。なので、今まで自分は親の操り人形になってた部分があったかもしれないとこの本を読んで気づかされました。確かに親の言う通りにして間違いではないのかもしれない、でももう時代も変わっていってる訳で、必ずしも正しい事を言ってる訳じゃないと思うんですよね。むしろ、これからの時代を生きる自分の方が正しく判断できることが多いんじゃないかと最近思い始めてたんですよね。

そんな訳でこの本を読んで、背中を押された気分になったというか、ずっと親の言う通りにしなくていいんだというか、もっと自分の人生を生きようと思うことができました。

 

親<パートナー

驚かされたのはNASAの家族の定義でした。NASAの定義では、親兄弟は拡大家族というカテゴリーで、極論親しい友達と同じカテゴリーになるそうです。そして親よりも、配偶者、子供の方が家族として近しい存在だそうです。

親よりも、自分が選んだパートナーを尊重するというのは理にかなった話ですし、納得しましたが、親と配偶者を天秤にかけて迷いなく配偶者をとれる人は、今の日本にはあまり多くないかもしれないと感じます。

私も結婚してるのですが、親の言う事を優先してしまうこともあったりして、反省したというか、本当に自分が守るべきは妻だったなあと思い直させられた気持ちです。

 

安楽死について

そしてもう一つ考えさせられたことがあって、それが安楽死についてです。

幡野さんの病気は、最期壮絶な死に方をするそうです。吐きまくって吐くものがなくなったら緑色の胆液を吐いて死ぬそうです。幡野さんはそんな姿を家族に見せたくないため、最終的には安楽死を選ぶ予定らしいです。

幡野さんが安楽死を選ぶことについて、病気になった本人がする選択は支持されるべきだと思いますし、個人的にも長い間地獄のように苦しみまくって死ぬよりは、まだ自分を保っていられる状態で死にたいなあと思えます。

ただ、この本を読んでいて思い出したのは、今期のアニメであるバビロンです。

バビロンでは自殺法という自殺を許す社会について扱っていていました。完全に自分の命を自分の好きなようにしていい社会になると自殺さえも許容される気がします。

もちろん安楽死と自殺は全く別物だと思います。安楽死は本当にそれしか選べない状況の人が、選ぶものです。自殺もそれしか選べない状況というのはあると思います。幡野さんのように病で苦しんでて、これ以上苦しみ続けるしかない人が死を選ぶのは止められないと思います。

ただ、精神的に追い込まれて死を選ぶ人は、本当にそれしか選択肢なかったのかと思ってしまうんですよね。個人の選択の自由かもしれないですが、精神的な問題の場合、解決が難しいこともあると思いますけど、解決策が全くないことはないんじゃないかと思ってしまいます。これは自分がまだ若すぎるからなんでしょうかね。

 

以下脱線。

(ていうか今更ですがバビロンの自殺法って具体的になんなんですかね。今も別に自殺したからって家族が罰せられる訳じゃないですし、わざわざ法律にする意味がないような気もしてきました。自殺したい人は法があってもなくてもするのでは。。もっと自殺に寛容な社会、文化を作りたかったという考えでしょうかね。)

唐突に脱線してすみません。

 

正直生きてて楽しくて、特に悩みがない人はこの本を読んでも、特に共感できないと思います。色んな事を考え込みがちな自分としては色々感じることのある本でした。自分な判断に誇りをもって生きていこうと感じました。